発達グレーや吃音を持つ子どもを育て、少年野球を応援する中で、全力で頑張っても空回りすることがよくあります。そんな悩みを少しでも解決できるよう、私の経験から得た気づきやヒントをシェアしていきます。少しでも心が軽くなり、笑顔で過ごせるヒントを見つけてもらえたら嬉しいです。
「声出し」が当たり前の少年野球で、戸惑う我が子
少年野球に入ったばかりの頃。
「声を出せ!」「もっと元気にいこう!」と、監督やコーチの声が飛び交う中で、
うちの子は明らかに戸惑っていました。
吃音がある我が子にとって、「大きな声で返事をする」「名前を呼ばれたら即答する」「みんなと一緒に掛け声を出す」…
そんな“当たり前”が、すごくハードルの高いこと。
最初の頃は、返事が遅れたり、詰まったりして、戸惑うことも。
「もっと声を出していこー!」と言われても、なかなか声が出ず…
でも、決してふざけているわけじゃない。ただ、言葉がすぐに出てこないだけ。
わたしはそのたびに、悔しそうにうつむく我が子の姿を見て、心がぎゅっとなりました。
「できない」ことじゃなく、「どう向き合うか」を一緒に考えた
ある日、息子と2人きりの時に
「声かけはどうしても必要だけど、どう?つらくない?どう思う?」と聞いてみました。
実は、内心この問いかけに嫌な顔をするかな?と思っていたのですが、
意外に自分の気持ちを話だしてくれました。
それをきっかけに、家族で話し合う時間をつくりました。
“声を出す”って、どういう意味があるのか。
どうすれば自分なりのやり方でチームに貢献できるか。
そもそも、声掛けって?
私は時間がある限り、息子の試合にはできるだけ応援に行くようにしています。
もちろん、息子の活躍を見たい!という気持ちが1番ですが、
息子が何に困っているか?どのように困るのか?
応援に行くだけでもさまざまな場面を見ることがあり、たくさんの気づきがあります。
声掛けについても、よく見ていると、ある気付きがありました。
①声掛けについて、そもそもどんな言葉を言えばいいのかわからない…笑
意外に見落としがちで、親も吃音のことが頭にどうしてもあるので、
声が詰まったり、恥ずかしいから声を出さないのかな?と当初は思っていました。
しかし、試合をみていると、
ん??! 何か違う…
もしかして…我が子は
そもそも「何を言ったらいいのかわからん?!」
恥ずかしいというよりは、あきらかにオドオドしていて…
試合の緊張感より、声出しのオドオドの方が勝ってるのではないか?!ってくらいでした( ノД`)…
息子と2人で話しているときに、
「声出しや~!と言われてるのに、なかなか声出せてないのって、
もしかして、吃音が恥ずかしいというより、何を言ったら分からんから?」
と聞いてみました。
そしたら、息子は
「うん、そうやで。何を言えばいいのか考えているうちに、過ぎてしまうねん!」
ビンゴでした~( ´艸`)
ただ、吃音ですぐに声がでないこともやはりあるそうで、
まず2つに分けて対策を息子と考えました。
①色んな場面の声掛けを出し合って、あらかじめ頭にいれておく
チームメイトがナイスプレイをしたとき、ミスをしたとき、追い込まれているときなど
さまざまなシチュエーションの声掛けをあらかじめシミュレーションしておく!
②詰まりやすい音を把握し、出しやすい声かけや返事の方法を事前に用意しておく
うちの息子はア行が特に苦手で・・(と言っても、他の行でもほとんど1文字目はつまりますが)
返事が伝わりにくいです。
せっかくアドバイスや指示をいただいているのに、
聞いているのか~?と言われかねないので、
出しやすい音を使った声掛け方法や、無理なら大きくジェスチャーを取れば大丈夫だよ!
「大きな声は無理でも、タイミングよく拍手やジェスチャーで盛り上げる」。など、
ここでもさまざまな選択肢があることを伝えておきました。
息子の表情は明らかに明るくなり、ホッとしたのを覚えています。
同時に、声掛けでもこんなに不安だったんだなぁと再認識しました。
思いっきり野球を楽しんでもうらには、
これからも小さなことも1つずつ、一緒にクリアしていこうと思いました。
監督やコーチには、
事前に吃音のことは話しています。そのあたりのことは後日また書こうと思います^^
息子が詰まりながらも大きな声を出し始めたとき、
「今日はいい声でてるなー!みんなも見習って声出しいこうやー!」
って言ってくれたのが、涙が出るほど嬉しかったです。
息子もとっても嬉しかったようで、そして自信にもつながったようで
より一層、野球が楽しくなったようです!
まとめ:できることを、できる形で。がんばる姿はちゃんと届いてる
吃音がある子にとって、「声を出す」という行動ひとつにも、大きな勇気とエネルギーが必要です。
でも、“できない”じゃなくて、“自分らしくやる”ことが大切なんだと、息子から教わりました。
今では、無理に声を張り上げなくても、チームの仲間としてしっかり役割を果たしています。
拍手したり、全力で走ったり、目で気持ちを伝えたり…がんばる姿は、ちゃんと周りに届いています。
親としても、空回ってばかりだけど(笑)、
子どもの「できる形」を信じて寄り添うことの大切さを、改めて感じています。
同じように悩んだり、笑ったり、時に空回りしながら過ごしているママたちと、
これからも「ぼちぼち」つながっていけたら嬉しいです。
次回も、どうぞお楽しみに!
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